伊東の大室山 山裾に頼家所縁の熔岩洞窟あり 


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 右:溶岩洞窟(大蛇穴)と大室山の鳥瞰    画像をクリック→拡大表示
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伊豆高原から続く大室山は伊東を代表する観光スポット。周辺には別荘地が広がり、城ヶ崎海岸から八幡野にかけては企業の保養所も数多く集まっている。一昔前の伊豆高原は熱海以南で最もメジャーな観光地だったが、河津桜の知名度アップや伊豆半島全体の観光不況の影響もあって凋落傾向が続いている。
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国道135号沿いに林立していた美術館などを含む観光施設も閉鎖が続いており、ペンションや民宿の経営もかなり厳しい状態になっているらしい。あの偉そうな態度で人を見下していた「川奈ホテルGC」でさえ、一部とはいえパブリック・コースに変換してビジターを受け入れるなんて夢みたいだもの。
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個人的には、5kmほど北の海近くにある小室山(321m)の方が好きだ。駐車場から左側の山裾を迂回して頂上まで歩けるし、川奈のゴルフコースや水平線まで広がる眺望も素晴らしい。ツツジの季節の混雑さえ避ければ人も少ないし、山裾を周遊する散歩コースが整備されているのも嬉しい。
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ところで...この場を借りて10年前(あぁ、もう20年以上前だな)の悪事を深く後悔しつつ自供します。
川奈漁港に車を停め川奈崎に向かって海沿いに犬と歩き、細道を登ったら川奈ホテル富士コース11番グリーン手前(ここに灯台がある)に行き着いてしまいました。ノーリードだった我が家のバカ犬が(ダメッて言ったのに)バンカーに飛び込んで散々走り回り(たぶん芝生と砂、両方の感触が楽しかったのでしょう)、ちょうどフェアウェイを歩いていたパーティには大変な御迷惑をお掛けしました。過ぎた事ではありますが、ここに謹んでお詫び申し上げます。


     

        左: 大室山西側の「さくらの里」駐車場からの遠景。良く整備された公園で、40種・3000本の桜が植えてあり四季を通じて花を楽しめる。
東側には伊豆シャボテン公園をはじめ多くの美術館や工房が集まっており、西側では豊かな自然を楽しめる趣向になっている。
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        中: 大室山に登れるのは登山リフトだけ。南側の神社から登る小道もあるのだが、自然の植生を守るため立ち入りは全面的に禁止されている。
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        右: 火山灰を包み込んだスコリア(多孔質の火山噴出物)ラフト。噴火で堆積した火山灰が溶岩流に流され外側が固まったもので、火山灰が
中に詰まっている大きなシュークリームみたいな物だね。


     

        左: 「さくらの里」の高台からゲンコツ山とも呼ぶ矢筈山(816m)、奥に遠笠山(1197m)、遠く天城山系の万二郎岳(1288m)を望む。
主峰の万三郎岳(1405m)は遠笠山の陰になって見通せない。10年前に登った印象では展望のない退屈なルートだったが、山裾に広がる
姫シャラと馬酔木(アシビ)の群生は実に見事だった。遠笠山道路終点の天城高原GC駐車場から比較的楽な登山道が続いている。
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        中: 熔岩洞窟部分の遠景。3700年前に大室山が噴火し、地下に空洞を残したまま地表を覆った熔岩が固まり、やがて地表部分が陥没して洞窟に
なったらしい。穴の周囲には樹齢100年を越えるスダジイやシデ・タブ・ヒメシャラなどが繁っている。
現在は立ち入り禁止だが、昔は内部に蝙蝠が住み着いていた。中には水も湧き、夏には涼しさを求めて地元の人が入っていたという。
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        右: 洞窟は縦穴状で最大直径24m・最深15m、横方向への広がりは落盤のため不明。富士山信仰では樹海の人穴と繋がっている、とも。
池地区の伝承では洞窟に棲む大蛇を退治した頼家一行を地元に迎え、「四方くずれ」という舞台で余興を見せて慰めたと伝わる。
現在も「舞台」という字が残っており、この経緯から洞穴は大蛇穴、この一帯を「穴の原」と呼ぶようになったという(地図)。


     

        左: 小室山リフト前の駐車場から左へ折れて頂上へ向う遊歩道。左は富士急の別荘地、海側にコンクリートの恐竜が並ぶ芝生広場がある。
リフトは大人往復400円(子供は半額)、乗り場は売店やレストランを兼ねている。人気のツツジ公園の風景は 伊東市の紹介サイト で。
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        中: 頂上の展望台から北方向を。岬の先に見えるのは1989年の海底噴火で市街地のすぐ前に出現した手石島、右手に浮かぶのは初島、
中央のやや右に見える三角は伊勢原の大山、左奥の岬の陰に白く見えるのは熱海市街地。
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        右: 直下には川奈ホテルGCの大島コース。右手の富士コースと交互に男女のフジサンケイクラシックを開催する名門ゴルフクラブだ。


     

        左: 頂上の南東側から展望台を兼ねたリフトの頂上駅を撮影。伊東の巣雲山から熱海の玄岳に続く山並みの後に冠雪の富士山が浮かぶ。
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        中: 反転して小室山の南側を。かすかに見える岬(富戸漁港の南)から城ヶ崎海岸の岩場が続き、流罪の日蓮が上陸した蓮着寺がある。
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        右: 南西側の眺望。左側のスリバチが大室山、背景は右から遠笠山(1197m)・三角が万三郎岳(1406m)・左は箒木山(1024m)かな。


     

        左: リフトが登って来るのは伊豆急行南伊東駅の方向。5月初旬には山裾のツツジが素晴らしい景観を見せる。混雑も普通じゃないけどね。
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        中: 手前は川奈駅周辺の市街地、高台を越えた向こう側が伊東温泉の中心街になる。富士山の手前左側は伊東の最高峰・巣雲山(581m)、
頂上から伊豆半島両側の海(相模湾と駿河湾)が見える数少ないスポットの一つだ。
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        右:川奈ホテルGCの11番グリーンと川奈岬灯台のズーム画像。我が家の犬が駆け抜けたバンカーが微かに見える。

この頁は2019年 9月21日に更新しました。