金沢中央走ろう会:編集長のマラソン講座
走快=マラソンと体調管理
 ○マラソン大会参加当日の体調管理
 ○マラソン練習前の健康チェック=負荷心電図検査
 ○4月なのに真夏日マラソン。暑熱順化前の体に大きな負担=事例報告

編集長の走り撮り写真集をお楽しみください。 マラソンや登山など開催会場を離れたり、人通りの僅かな山道などで運動するスポーツは、身近に救急体制がとれません。体調管理は自己責任の原則をシッカリ理解して参加しましょう。
 安全にマラソンを楽しむためには、事前準備と体調管理が大切です。練習を重ねて迎えた大会当日です。冷静に自分を見つめる眼を用意しましょう。
 当日の気象条件も大切な管理点です。気象情報を確認し、準備しましょう。

マラソン大会参加当日の体調管理
大会要項に示される注意事項例
注意事項
安全にマラソンを楽しむために
1.大会当日、体調が悪い方は、無理せずに出場を辞退してください。
主催者側としては、あらかじめ負荷心電図(※)等の利用による診断を受けられることを希望します。
また、大会当日は【10項目のセルフチェック】を行い、体調の自己把握を行ってください。
2.天候にかかわらず、脱水症予防のため、必ずスタート前、レース中に給水してください。
3.レース途中で、体調に異常を感じた場合は、速やかに棄権し、係員に連絡してください。
※負荷心電図とは...
運動をして心筋に負担をかけた後、心電図検査を行うことにより、安静時には発見されにくい異常を発見する検査です。

大会参加当日の体調管理
(日本臨床スポーツ医学会学術委員会勧告 1999)
大会当日、必ずこのセルフチェック10ポイントを行いましょう。
項目の中で1つでも2列の回答の右の項目に該当した場合は、当日の大会参加は避けて休養をとり、1週間以上症状の続いている場合は、医師の診察を受けてください。
下記の質問に当てはまる項目をチェックしてください。
 1 熱はあるか な い あ る
 2 体はだるくないか な い だるい
 3 昨夜の睡眠は十分か 十 分 不十分
 4 食欲はあるか あ る な い
 5 下痢はしていないか な い あ る
 6 頭痛や胸痛はないか な い あ る
 7 関節の痛みはないか な い あ る
 8 過労はないか な い あ る
 9 前回のスポーツの疲れは残っていないか な い あ る
10 今日の大会に参加する意欲は十分にあるか あ る な い

【編集長アドバイス】
準備不足で大会に参加する時は目標を下げる。
@体調を崩した時
 練習を重ねてくると、疲労の蓄積から免疫力が下がって風邪をひきやすくなります。熱や咳が出ると、早めに対応できても1週間は休養にあてなければなりません。こうした時は大会参加を見合わせるのが基本です。
A体調は戻ってきたが
 風邪から回復して、練習再開しても42kmのマラソンを走るには調整不足の状態です。
こうした時は、30kmまで走ろう、途中の関門通過まで走ろう、などの体調に見合った目標を設定して練習ランの一環として大会を利用するのが良いでしょう。
B前日の睡眠不足について
 私は、登山やゴルフ・スキーに行く場合は、ランニングをしない2日間の休養を入れて疲れを抜くようにしています。これは精神安定や注意力の万全を期したいからです。ゴルフではスイングやコース攻略に影響します。スキーや登山では怪我や危険な状態に直結します。そのためにも睡眠が大切です。
 マラソンの場合は、体の休養は心掛けますが睡眠時間はあまり気にしていません。横になる時間は5時間以上を確保するようにしています。走り始めればエンジンがかかり、後は1本道です。ランニングハイの状態になれば睡眠不足は気になりません。
 初マラソンのホノルルでは、5時のスタートで、ホテルを深夜の2時に出発するというもの。9時頃ベッドに入ったがなかなか寝付けず、少しまどろんだ程度でした。それ以降の大会でも同じ経験をしています。
 問題は、大会会場までの往復の車の運転です。こればかりは睡眠不足は避けたいことです。事故防止のためにも睡眠時間を確保しましょう。帰りの運転でもシッカリ体を休めてからにしています。
【注意】上記メモは編集長の個人的な感覚のものです。その旨を理解し、参考にしてください。
=58歳からマラソンに挑戦。65歳まで撮影ランのため4時間の走力を維持する練習を継続した時期=


マラソン練習前の健康チェック=負荷心電図検査
【編集長の負荷心電図の測定記録】
2003年、初マラソンに挑戦。ホノルルマラソンを楽しもう。健康チェック編。
 体調管理に毎年行っている健康ドッグ。初マラソンを目指すことで、トレッドミルによる負荷心電図検査を組み込みました。
私は、『北陸体力科学研究所』で、健康ドッグを継続しています。
 心肺機能の測定担当は、小松の鉄人:K・Mさん。
 彼女はトライアスロンに出るパワーの持ち主なのです。県内の大会での入賞記録を沢山お持ちです。
昨年までの心電図検査は、この自転車こぎ(エルゴメータという)。
 一昨年のこと。3人並んで測定開始。順に負荷をかけていくが、私だけ様子が違う。
 あなただけ負荷を増やしていますとのこと。毎年の測定結果から体力に応じた負荷を決めていることを知りました。 
2003年1月28日 北陸体力科学研究所でトレッドミルの負荷心電図検査。
毎年1〜3月にかけて健康ドッグを受診しています。
 今年は、ホノルルでマラソンに初挑戦する。トレーニングシーズンに入る前にトレッドミルで、心臓機能のチェックを加えました。
 年末から1月にかけて走りこんでいない。どんな結果になるか。
胸に心電図のセンサーを貼り、右腕に血圧測定帯を巻く。
 信号ケーブルを着けてトレッドミルへ上がる。
 メニューは7分/kmから始め、5分/kmまで順に上げていく。
 いつも走っている5分30秒/kmもけっこうキツク感じる。
 走りこんでいないので5分/kmはかなりキツイ状態。
結果は異常なしだったが、練習不足は明らかだった。
2004年2月18日 今年も測定しました。
 トレッドミルも2回目。前回のデータを参考に、新たにメニューを用意して実施しました。
 12月にホノルルマラソンを走り、ペースは落としているが、練習もマズマズ。気分良くマシンに上り、転倒防止のベルトを装着する。
 ところがロードでは楽なはずの5分30秒/kmがキツク感じる。2月だというのに今日は5月の陽気。室温も30℃ちかい。汗だくだ。5分/kmの途中でスピードダウンしてもらった。
 日頃のピッチより早い脚運びになっていると感じた。マシン上の5分30秒/kmペースはロードの5分/kmよりキツク感じる。いつもはランニングマシンを使わないことから、歩幅が小さくなり、その分ピッチを増やしているようだ。ペースの違いがキツサを感じる原因か? 前回も同じだったのかも知れない。
【トレッドミルの留意点=気温と足慣らし】
@負荷心電図検査でトレッドミルを使うときは、事前の慣らし練習が必要だ。
 何時もの足運びのスピードペースで測定できるように慣らしておきたい。次回はそうしてみよう。
A室温のコントロールも大切だ。マシンの上は普通より高い位置で、頭部も天井に近い。室温の分布も上が高い。30分間走るので、室内環境を確認しておこう。換気だけでなく冷房が必要なときもある。今回も暖房時期なので、気温は高い。窓を開けて扇風機を用意すれば良かったかも。
 冬から春は少しづつ気温が上がり、身体を暑さに慣らしていく。4月のマラソンでも30℃近く上がる日もある。こうなったら暑熱順化できていないので、年寄りにはキツランニングになる。冬の生活環境から25℃でのランニング試験。十分留意したい。
B
マラソンや距離練習では、最初の30分が脚慣らしの時間帯だ。身体から力が抜けてリラックスした走りに変わる。撮影のため先頭部に位置取りする場合、最初に列の速度に合わせていても、バラケタ時点でペースを下げて心肺機能を整える時間をとる。そして、体調を見ながら速度を少しづつ上げていく。
 トレッドミル検査では、短時間にペースを上げて行き、心肺機能の対応(適応)状況を診る。高齢ランナーには、脚慣らしのできているいないで、ペース感覚は大きく違うことも理解しておこう。
【図】トレッドミル検査の速度設定と心拍数の推移グラフ(掲載予定)
2005年1月24日 今年の受診では水泳も楽しみました。
 昨年末にホノルルマラソンを堪能。初詣ランニングも市内社寺巡り(8k)と白山比盗_社(30k)の両方を走るなど快調に走り続けています。昨年の経験から中央体育館でトレッドミルの練習をしておきました。でも検査本番では息がキツクなってしまいます。やはり脚慣らしの問題だなと自分に納得させます。
 ここでの楽しみはプールが使えること。休みながら1kmを泳ぎます。私の水泳は年に1回ここだけです。3年前にスキーで肩を打って水泳をやめていましたが、今回から再開です。
 運動後、風呂で昨年ホノルルマラソンで一緒になったMさんと会いました。
【リンク紹介】(財)北陸体力科学研究所:スポーツコミュニティ・ダイナミック

気候・季節と生理的変化のグラフ
 ランニング資料から気候・季節と生理的変化のグラフを入手しました。同じ走力感でも、環境温度によりペースが違うことを体験しています。『気温と持久力』のグラフをみると、夏にペースダウンしていても秋口からペースが上がってくることを、説明してくれます。また水分の摂り方にも根拠を与えてくれます。
 実際のレースでも、環境に合わせて自分の走力に見合ったペースになっていることに我ながら感心しています。高齢化により長距離を走る安全ペースを保つというユトリが備わったのかもしれません。ランニングが高齢者の身近なスポーツであることを認識したのは、こうした体験と理論が噛み合ってきたからだと思います。

4月なのに真夏日マラソン。暑熱順化してない体に大きな負担。事例報告。
編集長のマラソン写真集(抜粋)
 2003年12月のホノルルマラソンがマラソン初挑戦(58歳)。翌年4月、加賀健勝マラソンが2回目。これが炎天下の大会となった。30kmまでは順調だったが、ここで脚にケイレン。休止〜歩き〜ジョグを繰り返し、なんとか制限時間の5時間でフィニッシュできた。
 これを機に、暑熱順化の対応と夏季のラン練習計画に留意するようになった。

2004年4月。2回目のマラソン(59歳)で猛暑マラソンを体験。まだ若かった。
 春先のフェーン現象は暑熱順化していない身体に発汗負荷をかけてくる。初マラソンの4か月後、2回目のマラソンでこれを体験している。
 加賀健勝マラソンはこの年からマラソンの部を新設。前半はスタートから40mの高低差を繰り返す丘陵地を走る。大聖寺川沿いの小道を走り折り返す、タフな往復コース。現在の加賀温泉郷マラソンの原形です。
 スタートは9:30。気温25℃。フェーン現象で気温はぐんぐん上昇。炎天下のマラソンとなった。給水体制は、今おもえば、気象に対応したものと言えない貧弱なもの。救急車も出動。後日、天野代表は、大会管理について苦言を呈しておられた。
 そんな大会に身をおいた編集長。ホノルルマラソンを走っていることで、気温に対して準備する気持ちがなかった。ホノルルでは給水区間も供給量もこれでもかというぐらい補給された。4時間半を目標に30kmまで順調にペースをキープ。31kmで脚にケイレン。ここから休止〜歩き〜ジョグを繰り返す。一番厳しかったのが給水がないこと。自販機を利用するランナーを見かけた。それでも制限時間の5時間以内にフィニッシュできた。水分補給し、回復を待つ。最終ランナーのフィニッシュ放送が流れる。6時間まで延ばしたようだ。
 この大会を契機に、運動と気象環境の関係を調べる。それに備える対策。大会での経験を繰り返しながら、準備を整え対応する。特に熱中症対策に留意している。
 この年、5月から当会主催の大会役員として、2006年からは、夏の大会=能登島ロードレース(7月開催)の大会役員(コース監察)も担当。給水とミネラル補給を呼び掛けている。
【注】ホノルルマラソンのスタートは日の出前の5:00。5時間ランナーが日の出を迎えるのはハーフ地点。暑くなるころにはフィニッシュできる。フェーン現象の大会と比較できるものではない。

2017年5月。真夏日マラソンと脚のケイレン対応=72歳の知恵(?)
 30℃の炎天下大会を何度か経験してきた。毎回、脚に痙攣をおこし苦戦している。痙攣の原因を把握したうえで、悪あがきしない対応が大切だ。最近のマラソンでケイレンしたのは2017年5月(72歳)の富山清流マラソン。
 スタート時の気温は25℃、15km時点で30℃に上昇。快晴で日射も強い。5時間を目標に快調なランも、気温が高くなったので少しペースを下げる。26kmで脚にケイレン。春の大会は体が暑熱順化する前なので、多量の汗にミネラル分を放出してしまう。リタイアも考えたが、残り16kmで4時間もある。コース沿いの休憩舎で横になって休むことにする。
 フィニッシュ会場から4時間ランナーのゲートパスのアナウンスが聞こえてきたのを合図にランを再開。35分の休憩となった。うそのように足取りが軽くなっている。一緒に走っていた知人を途中で追い越してしまった。途中リタイアした選手もいるようだ。快調なペースも9kmしか持たなかった。気温が30℃のままなので、無理もない。残り5kmでは休憩を入れるわけにはいかない。痙攣の気配を感じたら歩きを交える。初めて6時間を超えた大会となった。
 途中に30分も休憩を入れるなんて、72歳ランナーならでは対応か。準備練習で1日42km走(午前20km+午後22km)しているが、本番でその休憩時間を短くしたという感覚か。参考になりますでしょうか。

【考察】フェーン現象とマラソン
 スタートまでの環境は春。気温も15〜16℃でマラソンには良い条件だ。気持ちも身体も好調に始動する。10km、20kmと順調に距離を稼ぐ。その間に気温は見る見る上昇。高くなった気温のなかでペース良く走ってしまう。発汗によるミネラル欠乏。夏季を意識しないので水分摂取も多目を意識していない。暑熱順化していない身体はミネラル分を含む多量の汗をかく。これが脚のケイレンの原因だ。ストレッチや小時間の休止では回復しない。それなりの時間経過が回復のカギ。
 ケイレンを予測する感覚。ケイレンしそうになった時の対応、なってしまったら。。大会に備えた練習と現時点での状況を見極める経験による判断。大切なのはマラソンを楽しむこと。

編集長のワンポイント・アドバイス=体の仕組みを理解して、走りに役立てよう。
@疲れのサインは、脳から発信する。
 人間が短時間に消費できるエネルギー(グリコーゲン)はマラソンで30〜35km分と言われている。途中から脂肪をエネルギーに変えて、補給を続ける。
 疲労の原因はエネルギー切れだ。人間の体で一番エネルギーを消費しているのが脳。脳に回すエネルギーが少なくなりそうになると、疲労の合図が出てくる仕組みだ。体が限界を超えているわけではないので、脳を騙す工夫が必要。
 脳が一番使うエネルギーは消化効率の良い糖分。30kmを過ぎたら飴玉を頬ばりながら走るのが編集長の対策だ。これで終盤のランに元気が戻る。
A呼吸が苦しくなるのは?
 エネルギー消費に酸素を使う。呼吸が苦しくなるのは、酸素不足だが、肺はそれを酸素量で感知しているのではない。息苦しさを感ずるセンサーは、肺の炭酸ガス量が増えてくると働く。
 肺の換気を効率的に行うには、吸うことより、思い切り吐くこと。悪くなった空気を出してしまえば、そこに新しい空気が入ってくる。
 ランニング中、編集長は呼吸を意識していない。呼吸が乱れるような強度ではマラソンは走れない。時々、深呼吸を行っている。炭酸ガスを少なくし、快適なランを維持する工夫だ。まず吐いてから吸う。2回で終わり。多すぎると過呼吸になるので注意。
【撮影ランの走力=姿勢に秘密あり】
 撮影しながらのマラソンは、42kmを目標タイムで走れるという自信がもてる練習の蓄積が必要です。1ヶ月前に1日40km走を済ませて、疲労を抜きながら調整していけば、大会当日や翌日に脚が痛くなることもありません。撮影を思うように進めていくには、ランは脚任せでいけるようにしておくためです。
 止まって撮影しダッシュするなど数百回繰り返す速度コントロールは、重心移動で簡単に行えます。この効率的な走りには真っ直ぐにした姿勢が大切。周りの景色やランナーの観察も背筋を伸ばし、目線を遠くに向けているからできるものです。そのランを維持するために、上記の工夫を実行しています。
【給食のとり方=4〜5時間ランナー】
 食べランといわれるように提供される食材に目が移るようではいけません。その食材の持つ成分を理解しておきたい。柑橘類はクエン酸とビタミンC。バナナはカリウムとエネルギー補給。筋肉の収縮に作用する。梅干は塩分補給と、スッパサで活を入れてくれる。クッキーなどの炭水化物はエネルギー補給だ。これだけあれば充分。サプリメントと飴玉はウェストポーチに用意してある。
 ホノルルマラソンでは、飲み物は提供されるが食材は用意されない。大き目のウェストポーチに、これらの食材を用意して走った。初マラソンで参加したAさんにも同じものを用意し、どの地点でバナナを食べろなどと教えた。気持ちよく完走できたと喜んでいた。
 東京マラソン2007では、途中の給食が全て品切れだった。それでもウェストポーチに用意したサプリメントと飴玉て気持ちを保つことができた。マラソンには、距離走で脂肪を燃えやすくする体質改善や大会前のカーボローディングなどエネルギー対策が必要で、これができていたことも大きな要因だ。
 この大会以降、食材の準備されている大会といえども、サプリメントと飴玉の携行は欠かしたことがない。金沢マラソンでも20kmまでの2箇所で提供される果実や菓子類が品切れとなっていた。バナナは無くなることはないだろうと踏んでいたのが甘かった。早速、携行品の出番となった。

編集長のマラソン講座

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